昭和40年代に発生した食品公害「カネミ油症」の患者に認定された人たちの健康状態を調べるための検診が11日から五島市で始まりました。
「カネミ油症」は、昭和40年代に福岡県北九州市のカネミ倉庫が製造した食用油に有害なPCBなどが混入し、西日本で健康被害を訴えた人が相次いだ国内最大規模の食品公害です。
長崎県では、被害を受けた人たちの健康状態の把握や有効な治療法の解明などを目的に、毎年、検診を行っていて、ことしも県内に住む認定患者のうちおよそ6割の人が住む五島市、そして、長崎市で11日から実施されます。
このうち、五島市の玉之浦町の会場では11日、33人が受診しました。
会場では、長崎大学の医師などが訪れた人たちの問診を行ったり、血液中のダイオキシンの濃度を測ったりしていました。
検診は来月にかけて場所を変えて順次行われ、12日は五島市奈留町、来月4日は五島市福江地区、そして来月21日に長崎市の会場で行われるということです。
受診した80代の男性は「検診を受けて病気などが見つかることもあるので、今後も検診を続けていってほしい」と話していました。