“福島PCB廃棄物を室蘭で処理”国の計画を室蘭市受け入れへ

  • 2021年12月13日
  • 2021年12月13日
  • PCB関連

原発事故のあと福島県内で発生した高濃度PCB廃棄物をめぐり、室蘭市は、市内の施設で処理する国の計画を受け入れる考えを表明しました。

環境省は、東京電力・福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県内の「汚染廃棄物対策地域」で発生した有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物について、室蘭市にある国の施設で処理する計画をことし3月に示しました。
この計画をめぐっては、廃棄物に付着した放射性物質への懸念などを理由に市民から反対の声も上がっていましたが、室蘭市の青山剛市長は10日、市議会の委員会で、「安全確認体制の強化などを条件に受け入れの判断をした」と述べ、計画を受け入れる考えを表明しました。
市は受け入れの理由として、▼現地確認や専門家への意見聴取によって廃棄物の処理が住民などへの影響がないと確認できたことや、▼国の説明会などで住民の理解が一定程度深まったことなどを挙げました。
一方で、出席した議員からは、「なぜ結論を急ぐのか。市民の理解はまったく深まっていない」などと批判の声も上がりました。
委員会のあと青山市長は、「心配の声があればこれからも答えていきたい。受け身ではなくホームページなどで今回の判断に至った経緯などを説明したい」と話していました。

【反対の市民団体は】
処理計画に反対してきた地元の市民団体「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」は、委員会のあとに室蘭市役所で記者会見を開き、今後も受け入れの中止を求めて活動を続ける考えを示しました。
この中で、市民団体の柳田美智子事務局長は、「市民と話し合うことなくこんなことを決めていいのか。話を聞いた専門家の名前も明らかにしないまま、その意見を根拠に受け入れを決めたという言い方をするのは市民への暴力に近いのではないか」と述べました。

【道は】
道環境生活部の森隆司部長は、10日の道議会の予算特別委員会で、「住民の安全、安心の確保が何よりも重要で、地元の理解を得ることが大前提だと認識している。道としては、処理対象物の保管状況などを確認するとともに、有識者から放射性物質の安全性などについて意見を伺ってきており、これらの結果を踏まえ、地元、室蘭市の意向も十分確認したうえで、総合的に検討していきたい」と述べました。
道は、市の意向表明を受けて、近く道としての考え方を明らかにする方針です。

 

2021年12月10日 NHK NEWS WEB より

 

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