昭和40年代に発生した食品公害「カネミ油症」の患者に認定された人たちなどの健康状態を調べるための検診が18日から五島市で始まりました。
「カネミ油症」は昭和40年代に北九州市のカネミ倉庫が製造した食用油に有害なPCBなどが混入し、西日本で健康被害を訴えた人が相次いだ国内最大規模の食品公害です。
長崎県では、被害を受けた人たちの健康状態の把握や有効な治療法の解明などを目的に毎年、検診を行っていて、ことしも県内4か所の会場で順次実施されることになっています。
18日から、県内に住む認定患者のおよそ6割の人が住む五島市で検診が始まり、奈留島の会場では48人が受診しました。
会場では、長崎大学の医師などが訪れた人たちの問診を行ったり、ダイオキシンの濃度を測るため、採血を行ったりしていました。
受診した80代の認定患者の女性は「いろいろな症状が出てる人も認定されていない人もいて、かわいそうだと思う。ちゃんと認定されて、治療も優先的にされるようになってほしい」と話していました。
検診は来月にかけて場所を変えて順次行われ、19日は五島市の福江地区、来月1日は五島市の玉之浦地区、そして、来月20日は長崎市の会場で行われるということです。
(2025年7月18日 NHK 長崎 NEWS WEB より)