絶縁紙の劣化、危険につき

 今回、フルフラール分析から絶縁紙の劣化度合いを調べたいとのご依頼をいただきまして、現地にお伺いして変圧器中の絶縁油を採取してきました。

 変圧器の中には絶縁油という油が入っており、電力変圧器や電力設備において非常に重要な役割を果たしています。また、絶縁油は電気絶縁を行い、設備の正常な運用に必要です。しかし、経年劣化や異常な条件にさらされることにより、酸価値の上昇やスラッジ等の異物が発生したりして絶縁効果を損なうことがあります。

 今回ご依頼いただきましたフルフラールとは主に絶縁紙の劣化により生成され、絶縁油中に溶け出してきます。絶縁油や絶縁紙は高温、高電圧の環境で使用されるため、長期間にわたって変圧器内で酸化、分解、反応がおきます。特に絶縁紙の場合は、劣化してくると絶縁紙のセルロースからフルフラールが生成され、絶縁紙の絶縁効果を低下させる可能性が高まります。

 分析機器による測定を行い、分析結果から算出されたフルフラールの濃度をグラフにプロットしていき、経年の傾向から絶縁紙の寿命の確率を推察することができます。

 絶縁油のフルフラール分析は、絶縁紙の劣化を早期に発見し、設備のトラブルを未然に防ぐための重要なツールとなります。

 

 

絶縁油試験の最新記事

>《分析依頼・ご相談窓口》

《分析依頼・ご相談窓口》

受付時間 9:00 - 18:00 (土・日・祝日除く)
お気軽にお問い合わせください。

CTR IMG