古い溶接機の廃棄期限迫る,電気溶接機部会が注意喚起(PCB)

  日本溶接協会電気溶接機部会は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有した古いコンデンサーを使用した溶接機種の早期処理について注意喚起を行っている。
 環境省と経済産業省は、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特別措置法)に基づき、地域ごとに規定の期間内に必ず処分をしなければならないと定め、これまで周知を行ってきた。
 PCBは燃えにくく電気絶縁性に優れた性質を持ち、変圧器やコンデンサーなどの絶縁油として広く使用されていたが、人体や環境に悪影響を及ぼすことから現在では新たな製造や使用が禁止されている。かつては1968年に食用油に使用されたPCBにより健康被害を発生させた「カネミ油症事件」が社会問題となった。
特に高濃度PCB廃棄物は、地域ごとに決められた期限があり、現在使用中の機器であっても定められた期限内に処分をする必要がある。期限を過ぎると罰則や処分ができなくなる可能性がある。処分は、環境省所管の持ち株会社「中間貯蔵・環境安全事業」への処理委託をしなければならない。
 また低濃度のPCBを含む機器であっても2027年3月末までに環境大臣が認定する無害化処理認定施設などに処理委託をすることが必要となる。高濃度PCB廃棄物の処分期間は東京、北海道、豊田エリアは2022年3月末まで。大阪は2021年3月末。北九州は2018年3月末とすでに終了している。
 古い溶接機の変圧器やコンデンサーにはPCBが含まれているものがある。日溶協電気溶接機部会はホームページで、以下を周知している。
?高濃度PCB含有コンデンサーを使用した溶接機=1953年から72年の間に国内で製造されたコンデンサーには絶縁油にPCBが使用されているものがあり、溶接機においてもこれらのコンデンサーを使用している可能性がある
?微量PCB含有の懸念があるコンデンサーを使用した溶接機=国内メーカーが1990年頃までに製造した電子機器はPCBに汚染されている懸念があり、溶接機においても微量のPCVが含有されたコンデンサーを使用している可能性がある。
 電気溶接機部会は、高濃度PCB含有コンデンサーを使用した溶接機のメーカー名、機器名、型式名及び製造時期をホームページ上で周知をしている(順不同)
 回答企業は次の企業
対象機種あり▽オリジン▽ダイヘン▽電元社トーア▽ナ・デックス▽神戸製鋼所▽パナソニック
対象機種なし▽育良精機▽OBARA▽向洋技研▽中央製作所▽デンヨー▽電溶工業▽古河電工パワーシステムズ
 経済産業省と環境省はPCB廃棄物の廃棄方法や処理手続き方法を解説する説明会を10月30日から2021年1月15日まで札幌、仙台、東京、名古屋、奈良、和歌山、大津、京都、大阪、神戸で開催する。東京と大阪会場はライブ配信(11月6日・13日)も行う。申し込みはホームページhttps://supportoffice.jp/pcb2020/ まで。

2020年10月23日 SANPO WEB より

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