保管していた安定器がPCB使用製品かどうかを調べて欲しいとのご依頼を多数いただきます。

安定器の場合は、メーカーに確認を取ったり銘板を見て力率計算をして判別したりしますが、中には現在メーカーが存在していないものだったり、銘板がはがれていたり、経年劣化で読めなかったりする場合も多々あります。

例えばこのような安定器

PCB入りコンデンサが使われているかどうかの判断が付かない(素性のわからない)場合は、通常全て「PCB含有」で処分しなければなりませんが、PCBが使われている箇所はコンデンサ内部に入っている絶縁油になりますので、安定器の中にコンデンサが無ければPCB使用安定器ではないということになります。「コンデンサが入っているかどうかを判別したい」というご要望もあります。

以下の写真が安定器の中身になります。
このようにしてコンデンサ(銀色)が埋め込まれています。

PCBが使用されている場合は、高濃度のPCBが使用されており、固定材として使われているこの黒いアスファルト、コールタールもPCBで汚染されている場合がほとんどです。安定器の外枠の鉄の表面からも微量のPCBが検出されたりしますので、現在では解体して中身を取り出すことは禁止されております。つまり、汚染を広げることになるという趣旨におきまして、分解・解体は禁止されております。

先ほども述べましたが、PCB入りのものは安定器表面にもPCBが付着していますので、素手で触らずにゴム手袋をして取り扱っていただきますようお願いいたします。

話を元に戻します。素性が全く不明な安定器はコンデンサが入っているかどうかで扱いが変わってしまいますので、今回上記とは別の安定器を用いてX線を当てて内部にコンデンサが入っているかどうかを観察してみました。

下の写真のように、安定器の表面を触らないようにラッピングしてX線CT検査装置で測定しました。

以下のようにセットしてX線を照射しました。

以下が照射した映像です。

安定器の下部右側に中身の透けた箱が映っています。これがコンデンサです。

電極板も確認できます。
これより、コンデンサの内部は電極板と絶縁油で満たされていることがわかります。

うっすらとですが、ニチコン社のマークとnichiconの文字も観察できました。
そのほか、溶接の跡や、その時出来た泡も観察できました。

以下の写真は、X線CT検査装置の載せ台を回転させてコンデンサとは反対の方向から撮った写真です。コイルの状態が観察できました。
鉄心に銅線が巻き付いている状況も観察できました。

 

コンデンサの有無がわかってもそのコンデンサ油にPCBが入っているかどうかまではわかりませんが、透過撮影してコンデンサが入ってない場合は「PCB不使用安定器」に区分されますので、素性不明の安定器がございましたらお問合せくださいませ。