動物病院でのX線用変圧器のPCB調査

 先日、動物病院様でX線用の変圧器のPCB含有の有無を調べて欲しいとのことで現地に行ってきました。

 まず、X線装置の裏側のフタを開けると下の写真のような変圧器が入っていました。上部のシルバー色のフタを開けて変圧器内部の絶縁油を採取し、いったん分析室に持ち帰ってPCBの測定を行いました。測定の結果、PCBは含まれていませんでした。

 X線用変圧器には、内部にコンデンサが含まれている場合があるので、その有無を確認する必要があります。通常ここで製造メーカーに確認するのですが、当該機器のメーカーは40年前に廃業されたということでヒアリングできないので、後日実際にねじ止めしてあるフタを外して内部を調べることになりました。調査は目視で行います。

調査日当日、機材を使って、変圧器のフタを吊り上げました。下の写真のように内部には10ℓ容器ほどのコンデンサが入っていました。もちろん変圧器油に浸かった状態です。

油を拭いてフタからコンデンサを外しました。

下の写真が外したコンデンサです。

 

携帯電話サイズ程度のコンデンサが入っている場合もありますが、今回はかなり大きいものが入っていました。

上部にドリルで穴を開けて油を抜き取り、この油を測定した結果、このコンデンサにもPCBは含まれていませんでした。

今回はコンデンサにPCBは含まれていませんでしたが、中には高濃度のPCBが含まれているものもあります。

まだ測定を行っていない場合は、早めのご確認をお勧めします。弊社でも行っておりますので、その際はご連絡くださいませ。

我が国の高濃度PCB※が含まれた変圧器やコンデンサの処分は、2022年3月31日で終了しましたが、発見された場合は、すぐに最寄りのエリアの中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)に相談して指示を仰いでください。

※高濃度PCBとは、PCB濃度が5000mg/kgを超える汚染物をいいます。

 

■低濃度PCB汚染物は2027年(令和9年)3月31日までの処理となっていますので、計画的に処分してください。

※低濃度PCBとは、下記の汚染物をいいます。
・PCB濃度が100,000mg/kg以下の汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類。
・金属くず、陶磁器くず、コンクリート破片等の不要物(金属くず等)に付着したもののPCB濃度が5,000mg/kg以下のもの(主として固形物)。

 

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