昨年、大手小売店の建設用地から有害物質の六価クロムなどが検出され問題となった浦安市で、今度はポリ塩化ビフェニール(PCB)による土壌汚染が発覚した。新庁舎の建設用地(猫実一丁目)から、基準の八倍ものPCBを検出。市は六価クロムを検出したときも、市民らから指摘を受けるまで公表せず問題になった経緯があり、市民に対する安全認識が問われている。 (服部利崇)

 市は昨年八月に調査を行い、県に報告した時点で土壌汚染を把握していた。「県と協議をして、汚染範囲や処理方法を確認してから報告しようと思った。隠すつもりはなかった」(森本健二・庁舎建設担当参事)と、十六日に公表した。

 大手小売店ダイエーの建設予定地から、六価クロムなどが検出された問題を追及してきた広瀬明子市議は「土壌汚染は市の責任ではないのに、なぜ公表しないのか。市民の安全に対する認識が欠けている」と批判。市内の自営業の男性も「またか、という感じ。市民軽視、隠蔽(いんぺい)体質は変わらない」と話す。

 汚染土壌は兵庫と富山の業者に運び、無害化するなどして処理される。汚染源とされるコンデンサー二基について、市は不法投棄されたとみているが、一億円を超えるとされる処理費は市の負担となる。

 処理費は、二十日開会の市議会に提出する本年度の一般会計補正予算案に盛り込んだ。森本参事は「一般に広く使われたコンデンサーで、排出者は特定できなかったから」と話す。

 新庁舎の防災関連設備として、市は防災用井戸を設置する。当初は災害時に飲料水を供給する用途だったが、土壌汚染に伴う地下水への影響を考慮した県の指導もあり、市は飲料用でなく、トイレの水など雑排水用に用途を変えた。

 <ポリ塩化ビフェニール(PCB)> 有機塩素化合物の一種。熱に強いなどの利点から、コンデンサーなどの絶縁油、可塑剤や塗料、複写伝票に使われるノーカーボン紙の溶剤などに広く使われた。だが毒性が強く、環境中で無害化されにくいことが問題となり、1970年代には日本を含めほとんどの国で生産や使用が禁止された。使用禁止後も変圧器などに含まれるPCBが未処理のまま残されており、保管中に行方不明になったり、環境中に漏れ出したりすることが問題になっている。

平成27年2月17日  東京新聞より