人体に有害な物質「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」を高濃度で含む液体を、大阪府豊中市の会社敷地内に捨てたなどとして、PCB特措法違反などの疑いで、医療機器製造会社の社員らが書類送検された。
書類送検されたのは、豊中市の医療機器製造会社「湯山製作所」の男性社員(37)と、同市の会社役員の男性(72)。
警察によると、2人は一昨年12月から昨年3月にかけて、有害物質のPCBを高濃度で含む液体廃棄物約2リットルを、豊中市内の作業場の床に捨てたなどの疑い。
PCBは過去に、電気機器の絶縁油などに使用されていたが、1968年に起きた大規模な食中毒事件「カネミ油症事件」の原因物質とされ、現在は製造や輸入が禁止されている。
近畿では、今年3月末までに適正に処理しなければならないと定められていて、男性社員は「100万円かかる処分費用を浮かせたかった」などと話している。
床に捨てた液体はその後、吸着して処分したとしていて、これまでに健康被害は出ていないという。