OFケーブルのPCB分析

  • 2019年12月2日
  • 2020年5月31日
  • PCB関連

OFケーブルのPCB分析のご依頼をいただきました。

OFケーブルとはoil filled cableで、(絶縁)油が入っているor満たされた、という意味になります。

2002(H14)年~2003(H15年)にかけて、OFケーブル設備中のケーブル絶縁油へのPCB混入の有無調査が行われ、2004(H16)年12月に「OFケーブル設備からの微量PCB検出とその対応について」と題しまして、ケーブルメーカ9社合同による報告書が発表されました。

試料総数501サンプルに対し、67サンプルの検出がり、検出率は13.4%だったとのことでした。

本来、PCBは誘電率が大きいため、OFケーブル用絶縁油には不適合なため、高濃度のPCB一切使用することはないようですし、そのような製品を販売したことも全く無いとのことです。また、ケーブル用の絶縁油は再利用は一切することはなく、新油を使用しており且つコンタミ等が起こらないように品質管理は厳密にされているそうです。

以下、報告書に記載されていることを箇条書きでまとめてみました。

・PCBの検出濃度は概ね0.5~5ppmの範囲にあり、最大値は125ppmであった。その80%が0.5~5ppmの範囲内にあった。

・PCBが検出されたサンプルの約75%が1975(S50)年以前のものであった。

・ケーブルの終端部の18件のPCB検出事例の内、12件(67%)が1975(S50)年以前のものであった。

・ケーブル接続部の57%が1975(S50)年以前のものであった。

・いずれのOFケーブルメーカーの製品からも検出された。

・1975(S50)年以前及び、1976年(S51) 以降新設の合成油使用OFケーブルからはPCBは検出されていない。しかし、1976年(S51) 以降新設の鉱物油使用のOFケーブルについては、1975(S50)年以前のものと接続・接触があるものはPCBが検出され、接続・接触がないものはPCBは検出されていない。

・鉱物油使用OFケーブルは、1975(S50)年以前新設のものからは、PCBが検出されているが、これも上記と同様1976年(S51) 以降新設の鉱物油使用のOFケーブルについては、1975(S50)年以前のものと接続・接触があるものはPCBが検出され、接続・接触がないものはPCBは検出されていない。

※つまり、合成油にはもともとPCBは混入していない。PCBが混入しているのは鉱油のみ。なので、1975(S50)年以前に作られた合成油OFケーブルにはPCBは混入していないが、鉱物油使用OFケーブルは混入している可能性がある。

また、1976(S51)年以降は、合成油・鉱物油の各OFケーブルは、1975(S50)年以前の

鉱物油使用のOFケーブルと接触があったものは混入している場合がある。

接触が無いものはPCBは検出されない。

・以上から、OFケーブル設備への微量PCB混入は1975(S50)年以前に受け入れた鉱物油に起因することが推定される。

・ケーブル絶縁油によるPCB混入の原因を見出すことはできなかった。

・OFケーブルを保有するユーザー数は最大で175社で、全てのユーザーは明確になっている。

・微量PCB混入していると考えられるケーブル絶縁油量は約3,600キロリットルと推定 される。(ドラム缶18,000本分)

・微量PCBが混入していると考えられるOFケーブルの長さは約1,400㎞と推定される。 (日本本州の長さ1,500㎞)

・OFケーブル設備は電気事業法により適切に保守管理され、ユーザーも限定できている。ケーブル絶縁油に手を触れるような保守・撤去などの工事は通常OFケーブルメーカーが実施ており、その対策を講じることを徹底することにより、PCB拡散を完全に防止することが可能と考えている。

 

弊社ではOFケーブルのPCB分析が可能ですのでご連絡ください。

 

 

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